質量数って何?
このような悩みで手が止まっていませんか?
質量数がわからないということは、原子の構成について理解できていない可能性が高いです。
そこで、今回は
原子の構成や質量数の求め方について、実践問題を通してわかりやすく解説していきます!
本記事は以下のような人におすすめです!
- 原子の構成が分からない。
- 質量数を求める問題が解けない。
この記事を読んで、質量数を求められるようになろう!
問題1
次の文中の()に適当な語句を入れよ。
原子の中心には原子核があり、その周囲を負の電荷を持つ(ア)が取りまいている。原子核は、正の電荷をもつ(イ)と、電荷をもたない(ウ)からできている。各元素の原子では、原子核中の(イ)の数が決まっており、これを(エ)という。また、(イ)の数と(ウ)の数の和を(オ)という。
2020セミナー化学基礎 | 第一学習社
略解1
(ア) 電子
(イ) 陽子
(ウ) 中性子
(エ) 原子番号
(オ) 質量数
テキスト1:原子の構造
それでは、この問題に必要な知識・ポイントを確認していきましょう。
原子とは
まず、原子とは何かについて説明します。
例えば、
金も電子顕微鏡で拡大した金の結晶を更に分解すると、金の原子になるのです。
ここでいう「金」が元素で、分解後の粒子の「金」が原子になります。
図の一番左の「金」が元素、一番右の「金」が原子ってことだね!
つまり、元素は原子の種類を表しており、元素記号は原子を表す記号として用いられるのです。
原子の構造
原子がなにかわかったところで、更にその原子を細かく見ていきましょう。
原子をさらに細かく見ていくと、より小さなものに分解することができます。
原子の構成要素は、上の図を使って説明していきます。
まず、原子は原子核、陽子、中性子、電子の4つで構成されています。
原子核は原子の中心に存在していて正の電荷を持ちます。
原子核の中には正の電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子があります。
また、原子核の周りを負の電荷を持つ電子が取りまいています。
電荷とは、物質が帯びる電気量のことだよ。
正の電荷はプラス、負の電荷はマイナスと考えていいよ!
構成要素の質量と電荷
陽子、中性子、電子はそれぞれ違った質量、違った電荷を帯びています。
まず、質量について説明します。
陽子と中性子は質量がほぼ等しく、電子だけ非常に質量が小さいです。
それぞれの質量比は、
陽子:中性子:電子=\(\mathrm{1 : 1 : \displaystyle\frac{1}{1840}}\)
となっています。
次に、電荷について見ていきます。
陽子1個が持つ電荷と電子1個が持つ電荷は共に等しいです。
また、原子核中の陽子の数とその周りに存在する電子の数も等しいです。
ここで、陽子はプラスに帯電していて電子はマイナスに停電しているため、原子は全体として電荷を持たず、電気的に中性になります。
少し分かりづらいと思うので具体例で見てみましょう。
ヘリウム\(\mathrm{He}\)には、陽子が2つ、中性子が2つ、電子が2つあります。
陽子1個の電荷は+1、中性子1個は0、電子1個は-1なので、原子全体では電荷は0になります。
電荷が0ということは、原子は全体で電気的に中性であるといえます。
また、1個の陽子または電子がもつ電荷の絶対値は\(\mathrm{1.602 \times 10^{-19} \, C}\)です。
これは、電気量の最小の単位で電気素量といいます。
原子番号と質量数
では最後に、原子番号と質量数について説明します。
最初に、それぞれの定義を確認しましょう。
- 原子番号:原子核に含まれる陽子の数のこと。
- 質量数:原子核に含まれている陽子の数と中性子の数の和のこと。
原子核に含まれる陽子の数は元素ごとに固有の値を示すので、同じ元素の原子は同じ原子番号をしまします。
また、陽子の数と電子の数は等しいので以下の式が成り立ちます。
原子番号=陽子の数=電子の数
また、質量数については、先程、陽子、中性子、電子の質量比を確認しました。
陽子:中性子:電子=\(\mathrm{1 : 1 : \displaystyle\frac{1}{1840}}\)だったね!
電子は、陽子、中性子と比較すると非常に軽いので、
原子の質量=陽子と中性子の質量の和\(\approx\)質量数
と考えていいです。よって、以下の式が成り立ちます。
質量数=陽子の数+中性子の数
最後に、これらの表記方法について解説します。
原子番号は元素記号の左下に、質量数は元素記号の左上に表記します。
- 原子番号=陽子の数=電子の数
- 質量数=陽子の数+中性子の数
この二式が成立してることがわかります。
これらを踏まえて、問題の解説を確認していきましょう。
解説
次の文中の()に適当な語句を入れよ。
原子の中心には原子核があり、その周囲を負の電荷を持つ(ア)が取りまいている。原子核は、正の電荷をもつ(イ)と、電荷をもたない(ウ)からできている。各元素の原子では、原子核中の(イ)の数が決まっており、これを(エ)という。また、(イ)の数と(ウ)の数の和を(オ)という。
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- (ア)
-
原子核の周囲に存在する負の電荷を持つものは電子です。
A. (ア) 電子
- (イ)
-
原子核の中にあり正の電荷を持つものは陽子です。
A. (イ) 陽子
- (ウ)
-
原子核の中にあり電荷を持たないものは中性子です。
A. (ウ) 中性子
- (エ)
-
原子番号=陽子の数であるため、原子番号です。
A. (エ) 原子番号
- (オ)
-
(イ)陽子の数+(ウ)中性子の数=質量数であるため、質量数です。
A. (オ) 質量数
では、これらを踏まえて練習問題にチャレンジしてみましょう!
問題2
原子の構成を\(\mathrm{^{A}_{Z}M}\)と表した時、次の(1)~(4)は、AとZを用いてどのように表されるか。
(1) 質量数
(2) 陽子の数
(3) 電子の数
(4) 中性子の数
略解2
(1) A
(2) Z
(3) Z
(4) A-Z
解説2
- 原子番号=陽子の数=電子の数
- 質量数=陽子の数+中性子の数
テキストで示したこれらを用いれば簡単です。
- (1) 質量数
-
質量数は元素記号の左上に示されるのでAです。
A. A
- (2) 陽子の数
-
原子番号=陽子の数=電子の数であるので、原子番号を表すZです。
A. Z
- (3) 電子の数
-
原子番号=陽子の数=電子の数であるので、原子番号を表すZです。
A. Z
- (4) 中性子の数
-
質量数=陽子の数+中性子の数であるので、
中性子の数=質量数-陽子の数です。よって、A-Zです。
A. A-Z
まとめ
今回は、原子の構成について解説しました。
今回登場した電子は、その配置によって色々な性質を示します。
電子の配置については下記記事で詳しく解説しているので、是非チェックしてみてください!
本記事の重要事項を以下にまとめました。ぜひ復習に役立ててください!
- 原子とはなにか?
- 原子の構成要素4つはなにか?
- 質量数とはなにか?
- 原子番号と質量数の表記法は?
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